企業の求人に応募したら、SPIを受けてくださいと言われました。看護師の就職で筆記試験なんて受けたことがなくて…。何から手をつければいいですか?
今回は、このような疑問にお答えします。
私も産業保健師への転職活動で、企業の適性検査を何度も受けました。うまくいかなかったことも含めて、こんな経験をしています。
そこで今回は、看護師・保健師が企業へ転職するときに出てくるSPI・適性検査について、私がしたこと・失敗したことを正直にまとめます。
✎ この記事で分かること
- 看護師の転職で、SPIや適性検査が出てくる場面
- SPIだけではない、いろいろな適性検査の種類
- 参考書1冊とYouTubeで進めた、私のSPI対策
- 自宅のWeb受検で失敗したことと、その防ぎ方
- 性格検査の考え方と、落ちたときの切り替え方

✎ この記事の著者
とし|現役訪問看護師
看護師・保健師・助産師の3つの免許を持つ、現役の訪問看護師。助産師、病棟看護師、オーストラリアでのワーホリ、応援ナース、産業保健師を経て、今は訪問看護で働いています。
看護師の転職で、SPIや適性検査が出てくるのはどんなとき?
病院への就職や転職では、筆記試験がない、あっても小論文や面接が中心ということが多いと思います。私自身、病院に就職するときに試験で苦労した記憶はありません。
一方で、企業への転職では、選考の途中で適性検査が入ることがあります。私が産業保健師を目指して企業に応募したときも、選考の中で適性検査を何度も受けました。
たとえば、次のような求人で適性検査が入ることがあります。
- 企業で働く産業保健師・企業看護師
- 健診や産業保健を行う機関の求人
- 看護師資格を活かす一般企業の職種
病院の採用でも、適性検査を行うところがあるといわれています。応募する前に「選考に筆記試験や適性検査はありますか」と、求人票やエージェントで確かめておくと、準備の時間を取れます。
SPIだけじゃない|私が出会った適性検査
「適性検査=SPI」と思って準備していた私が、いちばん焦ったのがここです。実際の選考では、SPI以外の検査もいろいろ出てきました。
SPI
言葉の問題と計算の問題、性格検査。最もよく知られた適性検査
私の体験:基本はこれで準備した。SPIを受けた3社は、どこも通過できなかった
玉手箱
短い時間で多くの問題を解く型といわれている
私の体験:SPIのつもりが、これが出て焦った
TG-WEB
見慣れない、考える問題が出る型といわれている
私の体験:同じく、初めて見て焦った
SCOA
公務員試験などでも使われる検査といわれている
私の体験:出題されて焦った
事務の検査
照合や分類など、事務作業の速さと正確さを見る検査。「事務能力検査」「事務適性検査」など、呼び名は企業によって違う
私の体験:「事務の適性がないのかな」と思ったこともある
SPIは、リクルートマネジメントソリューションズが作っている適性検査です。受け方には、会場で受けるテストセンター、企業のパソコンで受けるインハウスCBT、自宅などで受けるWEBテスティングがあります(SPI公式サイトより・2026年10月11日確認)。
ほかの検査は、それぞれ別の会社が作っていて、問題の形も時間の感覚も違うといわれています。どの検査が出るかは企業ごとに違い、事前に教えてもらえないこともあります。SPIだけに絞って準備すると、私のように本番で焦ることになります。
私のSPI対策|参考書1冊とYouTube、そして復習
特別な方法はしていません。やったことは、次の3つです。
参考書は1冊に絞り、それを軸にする
参考書は、書店で中身を見比べて、自分に合いそうだと思った1冊を選びました。
アプリもいくつか試しましたが、自分に合うものは見つかりませんでした。代わりに使ったのがYouTubeです。「SPI」と調べると解き方の動画がたくさん出てくるので、それを見ながら問題を解きました。
ただ、基本はあくまで参考書です。あれこれ手を広げるより、1冊をくり返すほうが、自分に足りないところが見えやすかったと感じています。
苦手な分野は、似た問題をたくさん解く
参考書を解いていくと、苦手な分野がはっきりしてきます。そこは、似た問題をとにかくたくさん解きました。
私がやりやすかったのは、解き方の「フック」を見つけることです。「この形の問題は、まずここを見る」という引っかかりがあると、初めて見る問題でも手が動きます。テキストをベースに、いろいろな問題を解いては、そのフックを覚えていきました。
本番で分からなかった問題を、次に解けるようにする
いちばん効いたと思うのは、これです。
SPI・玉手箱・事務の検査など、実際の試験で分からなかった問題は、終わったあとに思い出して、似た問題で復習しました。「次に同じ形が出たら、解けるようにしておく」。これをくり返したことが、いちばんの対策だったと思います。
自宅のWeb受検で失敗したこと
私は、自宅のパソコンで受けるWeb受検と、会場で受けるテストセンターの両方を経験しました。会場ではパソコンも環境も用意されていますが、自宅のWeb受検は、環境を整えるのも自分の仕事です。
実際に、こんな失敗をしました。
- 画面がうまく読み込めず、残り時間が少ない中で解くことになった
- 一度試験の画面から出ると、その時点で試験終了になる仕組みだった。パソコンの操作を間違えて、試験が終わってしまった
このときは、エージェント経由で応募した求人だったので、エージェントに電話して対応してもらえました。
Web面接の準備と重なる部分も多いので、あわせて確認しておくと安心です。
性格検査は「偽らない」。でも、求められる人物像は考える
SPIなどには、能力の問題とは別に、性格を答える検査があります。
私が気をつけたのは、自分を偽らないことです。よく見せようとして答えを作ると、見抜かれてしまうこともあるといわれています。
そのうえで、「会社で働く自分」「この企業で働く自分」を思い浮かべながら答えるようにしました。その企業でどんな人物像が求められているかを考えると、答えに迷ったときの軸になります。
性格検査は、あくまでその人の性格を見るためのものです。性格検査だけで落とされることはあまりないと聞きますし、当時のエージェントも同じことを言っていました。ここは気負いすぎなくて大丈夫だと思います。
SPIで不合格が重なったとき、どう切り替えたか
SPIを受けた3社で、どこも通過できなかったとき。私はこう受け止めていました。
会社が私を見ているのと同じように、私も会社を見ている。その会社には、私に合う能力やポジションがなかった。そう割り切って、たくさんある企業の一つと思い、次の求人を見ていました。
そして、試験で通らなかったときは、その試験の対策をして切り替えました。前の章で書いた「分からなかった問題の復習」は、この切り替えの中でできた習慣です。
通ったとき、何を変えたのか
最終的に、適性検査を通った会社もありました。では、そのとき何を変えたのか。正直に言うと、特に何も変えていません。
適性検査には、足切りのボーダーがあるといわれています。私は、そのラインを超えられたのだと受け止めました。
振り返って思うのは、特別な裏技はないということです。日々の復習と、解き方を学んで慣れること。結局は、それに尽きると思います。
企業に転職するということ|産業保健職を目指す人へ
適性検査を何度も受けながら、私は毎年就職活動をしている新社会人のことを想像していました。
病院への就職で、何かが大変だったという記憶は、私にはありません。でも企業への就職は、適性検査、面接、グループワークなどで、何度もふるいにかけられます。
産業保健の分野も同じです。企業で働く人たちは、そうしたふるいをくぐり抜けてきた人たちです。その人たちの健康を支える産業保健職を目指すなら、企業を理解することから、試験や面接の過程まで知っておく必要がある。転職活動を通して、そう感じました。
企業に転職するのは、正直、大変だと思いました。
よくある質問(Q&A)
SPIは何割くらい取れれば通りますか?
参考書は何冊くらい必要ですか?
病院への転職でも、SPIはありますか?
性格検査で落とされることはありますか?
Web受検でトラブルが起きたら、どうすればいいですか?
まとめ|適性検査は、復習と慣れの積み重ね
- 企業への転職では、選考の途中で適性検査が入ることがある
- 出るのはSPIだけではない。玉手箱・TG-WEB・SCOA・事務の検査なども出てくる
- 対策は、参考書1冊を軸に、苦手を似た問題でつぶし、本番で分からなかった問題を復習する
- 自宅のWeb受検は、回線と操作ミスに気をつけ、困ったときの連絡先を控えておく
- 性格検査は偽らず、落ちたときは「会社も私を見ている」と割り切って次へ
私はSPIで不合格が重なったとき、「会社も私を見ている」と割り切って、次の試験の対策に切り替えました。適性検査に特別な裏技はなく、復習と慣れの積み重ねです。あなたのペースで、一問ずつ進めてみてください。
